昔々。大阪の梅田でティッシュ配りをしていた。この手のバイト経験者なら分かると思うけど人通りの多いアーケード商店街より駅前の方がティッシュやビラが捌けやすい傾向にある。残念な事に俺がその時配置されたのは梅田の阪急東通り商店街と言う場所だった。
人通りは多いが駅ターミナルの様に密集して歩行せずバラバラと人が通行するので商店街は動き回る割に成果が出ない。
しかも梅田はミナミや天王寺と違い乞食のおっさんが少ない利点がある。
俺らは乞食のおっさんをヨゴレと呼んでいた。ヨゴレは天王寺>>>>>ミナミ>>梅田とパワーアップしていく。天王寺のヨゴレは最強と言えよう。
多分天王寺のヨゴレが10人集まればプーチンぐらいなら楽勝で倒せるはずだ。だから天王寺やミナミでティッシュを配っていたらヨゴレのおっさんがクレクレとうるさい。
特に天王寺のヨゴレは半ば強奪していったティッシュを西成名物ドロボー市で1個10円で売ったりしている。
ミナミのヨゴレもクレクレと割とうるさい。
しかし梅田のヨゴレは数も少なく匂いも控えめだ。そして女のヨゴレが多いのも特徴である。
そんな中に1人小太りの女ヨゴレがいてこのヨゴレが周期的にとてつもない悪臭を放つ。ま普段もそこそこキツイ匂いなんだけど匂いがキツイ時は鼻は愚か目から涙がでてくるレベルなんだよね。
その日を俺らはハイパー化と言っていた。
俺がその阪急東通り商店街に配置された時現場に着いたらそいつはすでに東通り商店街で段ボールを集めていた。
最悪な事に奴はハイパー化していた。
ダンバインのジェリルのハイパー化なんて比じゃない。過去最高レベルのハイパー化だった。
悪い事にハイパー化は俺らの立ち位置の風上にいた。
臭い・・・ 鼻がもげるレベルじゃない。青山テルマより不細工に鼻になりティッシュを配るが匂うたびに脳内の記憶が消えて行く感覚。
優しかったおばあちゃんの思い出、家族旅行、楽しかった修学旅行の思い出・・・。すべて消えていきそうだ・・・。
対面でティッシュを配る同僚の顔も怒った木の実ナナみたいな顔になっている。男だけど。
夜になりヨゴレはどんどんこっちに向かってくる。同じく人の交通量も増える。
ついにハイパー化が俺の近くの段ボールを取りにかかった、その時人並みに押されて思いっきりハイパー化がこけかけて俺に抱きついた。
小太りのハイパー化だけに抱きつかれた俺はハイパー化ときつく抱擁するように倒れた。
さすがに通行人が驚き俺とハイパー化を抱え上げようとした時ハイパー化の余りの臭さにぎいやーー!!!と叫び青山テルマみたいな鼻になり逃げていった。
時間にして約4分。俺はハイパー化の抱擁から脱出出来た。
体中ハイパー化の匂いが染みついていた。
そのハイパー化の抱擁のお陰で今も俺の鼻は南国の鼻である。
しかし何故ハイパー化との抱擁を同僚が助けなかったか?俺としてはそれで良かった。なぜなら
実は彼はハイパー化に負けず劣らずのワキガだからだ。
彼の名を西田と言う。
今後このブログの過去話にはほぼレギュラーで出てくる人物である。


