説明は多分更新していく過程で決まると思うので今は控えます。

シャンソンとは無関係

2009年01月28日

レモンちゃんの恋・

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昔むかーし15年ぐらい前の事。俺は西成のドヤの近くに住んでいた。ドヤと言うのは簡易宿舎の事で日雇い労働者のおっさんらが安ければ1泊500円から宿舎する事が出来る。東京で言う山谷横浜で言う寿町の大規模版が西成のドヤである。
俺の住んでたマンションはドヤからギリギリ離れたマンションでそこから自転車で日本橋1丁目の会社まで往復していた。
夜は大体21時を越えるのがデフォでそんな時間帯に通天閣の付近をチャリで蛇行する事が多かった。西成と言えば日雇い労働者のおっさんやヤクザなんかに目がいきがちではあるがオカマバーがかなり多いと言うのはそこそこの西成通なら知っている。
いやそんな通にはなりたくないが。
西成のオカマはミナミやキタのオカマやニューハーフと違い壮絶に汚く見える。と言うのも大半がミナミやキタで綺麗なニューハーフとして散々ちやほやされて年老いた末西成のオカマバーに辿り着くのだ。
だから店が華やぐ全盛の時間帯に通と旬を過ぎたオカマがわらわら蠢いている。
その様は正しく化け物小屋であり筆舌に尽くし難い。
ある日その化け物小屋をチャリで蛇行していると後ろからチャリの荷台をがっつり掴んでチャリを取り押さえ
「寄っててえな」
と強引な客引きをする者が居た。
源氏名を[レモンちゃん]と言う。
俺はオカマバーとかスナックに興味はないので無視して立ち去る。

初めて荷台を掴まれて話かけられたときは心臓発作起こしそうなぐらい怖かった。

翌日も荷台を掴まれた。

そんな攻防が実に1ヶ月以上続いのだが仕事の都合で車を与えられマンションにも車で往復する事になりオカマバー周辺を行き来する事がなくなる平和な2週間を過ごしていた。
そんな中の休日。いつも買い物に行くスーパーが休みで買い物に関してはそのスーパーしか知らないので気は進まないが通天閣周辺へ食料を買いに出た。
まあ夕方だしオカマ出没タイムとは時間帯が違うと言う安心感を持ち通天閣周辺へ出てみた。夜に通るのとは違う雰囲気は割と新鮮だったし串カツを焼く匂いには変わりなかった。
通天閣直下のローソンで週刊誌を買い引き上げようとチャリを進めたら目の前にレモンちゃんが立っていた。
レモンちゃんは半笑いで仁王立ちし歪んだ口元からバージニアスリムを外すと
「久しぶり」
と言いながら俺の肩を掴んだ。
夜と違いまだ陽のある時間帯に見るレモンちゃんは厚く白べったい化粧を施してもシワシワが隠せない地獄絵巻だった。
俺は
「そう言う店に興味ないから!」
と手を振り解き猛ダッシュでチャリを漕ぎ逃げしようとしたらいつも通り荷台を鷲掴みされた。
「店はいいから喫茶店で話だけでも聞いて!」
と絶叫した後跪いておいおい泣き出した。

おいおいおい・・・。堪忍してくれよ・・・。
そうこうしてる間に野次馬が現れ始めどうみてもオカマを弄んだ若い兄ちゃんの路上痴話喧嘩にしか見えなくなり収拾をつける為に喫茶店に同行する事にした。

喫茶店で初めてレモンちゃんをマジマジと見ると・・・。
これはキツイ。年の頃なら40前後か。
レモンちゃんの90分に及ぶ話を要約すると

子供の時から男である事に違和感を持ち18歳で虚勢した20〜27ぐらいまでは一流のオカマバーに在籍してちやほやされ羽振りのいいパトロンも数人いてこの世を謳歌するもこの不況の御時世でパトロンも居なくなり年齢的にも一流店では勤務出来ず西成の場末のオカマバーに落ち着くが若い頃の女性ホルモン摂取やら化粧のしすぎで数年前より一気に劣化して生活もままならなくなるが食えないと言っても性転換により実家は勘当状態なので頼れない。そんな生きるか死ぬか正にDead or Aliveと言う鬼気迫る状況にも関わらずレモンちゃんは悠長にも若い男に恋をした。その若い男との年格好が俺に似ているので毎日通る俺に相談しようと初めて見た時から決めて居たと言う。
いや初見からそんなヘビーな相談相手に決められても困るがとにかく俺がレモンちゃんに恋されている訳ではないのでセフセフ。

俺にはオカマの知り合いが数人いたが大体こんな感じの人が多い。本人は至って繊細でナイーヴなつもりかも知れないがどこか図々しくて厚かましい。その癖オカマに突慳貪に質問すると無神経!と罵ってきたりする。ので困る。

もう少しレモンちゃんの話を聞く。
その意中のお相手とやらが俺と決定的に違うのはアブラギッシュで男臭くガッチリ体型なところが俺と若干違うらしい。

若干じゃねーだろ。それ。

でレモンちゃんの恋の練習相手になって欲しいとのこと。
どうやら日雇い労働者に恋した様だ。
練習相手とはなんぞや?曰く告白からベッドインまでのシミュレーターだ。
告白でも相当きっついがゆくゆくはベッドイン!?
この日は告白の練習したが俺のメンタル面への破壊力は凄まじかった。四十面の小汚いオカマに顔を近づけ告白される・・・。
息もめっちゃ臭い・・・。

    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡 モルボル!
  (  ⊂彡
   |   | 
   し ⌒J

   _  ∩
  ( ゚∀゚)彡 モルボル!
  (  ⊂彡
   |   | 
   し ⌒J

明日もシミュレーターを頼まれ帰り際に携帯番号を交換しその後謝礼として1万円くれた。1万円差し出したあとの財布の中は2千円ぐらいしか残って無かった。
大丈夫?と聞くと大丈夫。と答えプライドと見栄がなくなるとオカマじゃなくなるから。とレモンちゃんは言った。

帰宅すると俺はレモンちゃんの相手続行不可とし以前書いた西田に電話でオカマの相談相手して1万円のバイトとして託し翌日レモンちゃんと西田を会わせるとレモンちゃんは好きな男に体格が似てる!ありがとう!と言って5千円くれた。俺は5千円握り締めるとそそくさとその場から消えた。

10分後レモンちゃんから携帯に電話があった。受話器の向こうでレモンちゃんは
「この男臭いーー!」
と絶叫していた。

しかしレモンちゃんも臭い・・・。

その後数分起きにレモンちゃんから着信があったけど全て無視した。

それはともかく男女どころかオカマにまでモテない西田はすげえや。

俺はこの後西成からも西田からも姿を消した。
我ながらいい仕事した。
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posted by テリーは弱い at 23:56| Comment(0) | 過去 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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